有限要素法のフリーのソフトウエア を試す

CAEで使われるフリーの有限要素法(FEM)ソフトウエアであるCalculixやOpenfoamを使ってみようとチャレンジしてたその足跡を残す。。。ついでに他のフリーソフトや商用ソフトの無償版にも手を出してみる。

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FEM構造解析ミニ講座 拘束条件-静解析の剛体移動をとめる


突然ですが、CAEソフトは高い!!!ということで、
とりあえずフリーのCAEソフトで試してうまくいったら商用ソフトを検討しようと考えている方は多いと思います。

そのような方がこのブログにやってきて、CalculiXを入手して、使い方がなんとなくわかったけど
、実用問題に適用してみようとすると、うまくいかない、ということは多いと思います。

FEMの専門家には、そんな簡単にできるほど甘くはない!、といわれる方もいるかと思いますし、
甘くはないのは事実なのですが、

それでもこのブログをみてFEMに興味もっていただいた方が、すぐあきらめてしまうのはもったいないと思いますし、

もう少しがんばって業務に少しでも役に立てば、ブログを書いている甲斐もありますので、

僭越ではありますが、解析講座ぽいものを書いてみたいと思います。

(セミナーの挨拶みたいになってしまった。。。)


前置きはこれくらいにして、今回は拘束条件について述べたいと思います。

FEMの解析の質を決める一番重要な要素は拘束条件を含めた境界条件であるといわれています。

原則は、実際の”もの”(解析対象物)の状態に従って設定するのが原則なのですが、

解析計算上、計算結果を得るために守っていただかなくてはならないルールがあります。


線形静解析の場合、一番重要なルールは、

剛体移動(運動)が起こらないように拘束する

ということです。

これがCAEベンダーのセミナーでは必ず説明があることで、

FEMシミュレーションについて書かれている本にもたいてい説明があるはずです。

(でもWEBを調べると、わかりやすく説明したものが意外とない。。。)

次回、まず3点曲げ試験(両端支持はり)をシミュレーションする場合を例に説明していきます。


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  1. 2009/04/03(金) 23:54:06|
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構造解析 有限要素法 剛体移動での拘束不足エラーを防ぐ(1)

以下のような3点曲げ試験のモデル化を考えます。

拘束条件1
クリックすると大きくなります。

実物はもちろん3次元ですが、とりあえず2次元(奥行き方向は考えない)で考えます。

2点で試験片を支持して試験片中央を下向き(y方向)に押します。

このとき横(x)方向には”支え”がないので、
もし実際に力が加わると試験片は動いてジグから外れて、落ちてしまいます。

理論上は力がかかり続けると、試験片は変形せずにどこまでもx方向に移動し続けます。

よって、x方向の変位は無限大ということになります。

拘束条件2
クリックすると大きくなります。

でも、3点曲げではx方向には力がかからないし、実際3点曲げ試験ではx方向に移動しないので、問題ないのではないか、と考えてしまうのですが、

有限要素法の計算上は、ポアソン効果によりx方向にも変形が発生しますし、数値誤差の影響でx方向にほとんど0ではあるが、わずかな力がかかったような形になる可能性もあります。

拘束条件3
クリックすると大きくなります。

もしそうなった場合、支持点がない以上、わずかな力でも理論上は無限大の変位が発生してしまいます。

実際に計算してみると、やはりエラーでとまったり、大きな変形が起きたりすることが多いです。
(うまく力のバランスがとれて、計算がうまくいうこともありますが)

ではどのようにモデル化すればよいかというと、どこかx方向を拘束すればよいのですが、

このモデルの場合は荷重点の下はx方向には移動しない、というのは妥当性があるので、

そこをx方向方向に拘束するのがよいと思います。

また、対称条件を使って、対称面をx方向に拘束し(ソリッド要素の場合)、荷重を半分にするとモデルの節点数、要素数を減らすことができます。

拘束条件4
拘束条件5
クリックすると大きくなります。

ただし、荷重が試験片中央ではなく、ずれたところに書ける場合は、荷重の対称性が崩れるので、境界条件を慎重に考える必要があります。

とにかく、構造解析有限要素法の静解析では、荷重条件に関係なく剛体移動がおきないように拘束条件を設定しなければなりません。

それでは、x、y、zの方向に1点ずつ止めればよいのかな、と単純に考えてしまうのですが、実はそれではうまくいかないことが多い、という話を次回します。



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  1. 2009/04/04(土) 12:16:07|
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構造解析 有限要素法 剛体移動での拘束不足エラーを防ぐ(2)

前回は、有限要素法静解析では剛体移動を完全にとめる拘束条件が必要だと書きました。

これは、どのような荷重条件に対しても、

荷重方向ではない方向にも拘束条件が必要です。

さて、剛体移動をとめるには、x,y,zの3方向をとこで一箇所ずつ拘束すれば、

剛体運動がとまると考えてしまうのですが、それがそうでもありません。

2次元で考えた場合、例えば下の図で、節点1をx、y方向に固定すれば、確かにx、y方向は止まるのですが、

節点1の回りに回転移動する剛体運動が止まらずに、残ってしまうのです!!

拘束条件6
クリックすると大きくなります

節点は回転するんかい、というと、残念ながら回転するのです。。。

(節点の自由度をご存知の方であれば、節点1の回転自由度をとめればよいのではないかと思われるかもしれませんが、残念ながら2次元解析では計算上は通常回転自由度を存在しないので、とめられません。。。(また回転自由度が存在しないのと節点が回転するのは別問題です。。。))

よって、並進方向をつかって、回転の剛体移動を止めなければなりませんので、例えば下図のようにもう一箇所とめなければなりません。

さらに3次元の場合は最低3箇所とめなければなりません。

拘束条件7
クリックすると大きくなります

次回実際CalculiXを使って、拘束不足の場合どのようになる見てみたいと思います。


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  1. 2009/04/05(日) 23:11:18|
  2. 解析講座
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剛体移動が起きてしまう例題 その1

今回は2次元の熱膨張の問題で、拘束条件が不足した場合の計算を行ってみます。

下図のようなモデルを考えます。

剛体熱膨張例題2D
クリックすると大きくなります

回転を考えなければ上図(A)でよいはずなのですが、実際に計算してみると剛体回転運動がおきます。

以下計算データです。

*NODE, NSET=Nall
1,0.000000000000e+000,0.000000000000e+000,0.000000000000e+000
2,5.000000000000e-001,0.000000000000e+000,0.000000000000e+000
3,5.000000000000e-001,5.000000000000e-001,0.000000000000e+000
4,0.000000000000e+000,5.000000000000e-001,0.000000000000e+000
5,2.500000000000e-001,0.000000000000e+000,0.000000000000e+000
6,5.000000000000e-001,2.500000000000e-001,0.000000000000e+000
7,2.500000000000e-001,5.000000000000e-001,0.000000000000e+000
8,0.000000000000e+000,2.500000000000e-001,0.000000000000e+000
9,5.000000000000e-001,1.000000000000e+000,0.000000000000e+000
10,0.000000000000e+000,1.000000000000e+000,0.000000000000e+000
11,5.000000000000e-001,7.500000000000e-001,0.000000000000e+000
12,2.500000000000e-001,1.000000000000e+000,0.000000000000e+000
13,0.000000000000e+000,7.500000000000e-001,0.000000000000e+000
14,1.000000000000e+000,0.000000000000e+000,0.000000000000e+000
15,1.000000000000e+000,5.000000000000e-001,0.000000000000e+000
16,7.500000000000e-001,0.000000000000e+000,0.000000000000e+000
17,1.000000000000e+000,2.500000000000e-001,0.000000000000e+000
18,7.500000000000e-001,5.000000000000e-001,0.000000000000e+000
19,1.000000000000e+000,1.000000000000e+000,0.000000000000e+000
20,1.000000000000e+000,7.500000000000e-001,0.000000000000e+000
21,7.500000000000e-001,1.000000000000e+000,0.000000000000e+000
*ELEMENT, TYPE=CPS8, ELSET=Eall
1, 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8
2, 4, 3, 9, 10, 7, 11, 12, 13
3, 2, 14, 15, 3, 16, 17, 18, 6
4, 3, 15, 19, 9, 18, 20, 21, 11
*MATERIAL, Name=steel
*ELASTIC
28000, 0.001
*EXPANSION,ZERO=273.
1.E-6
*SOLID SECTION, Elset=Eall, Material=steel
*INITIAL CONDITIONS,TYPE=TEMPERATURE
NALL,273.
*STEP
*STATIC
*boundary
1,1,2
*TEMPERATURE
NALL,373
*NODE FILE
U
*NODE PRINT, NSET=Nall
U
*EL PRINT
S, E
*EL FILE
S, E
*END STEP

拘束は節点1をx方向とy方向に拘束したのみです。

結果を見てみると、x方向のコンター図が斜めになっています。

また、cgxのウインドウメニューからViewing→Toggle AddーDisplacementをクリックして、変位結果を実際の結果に反映させます。

変位が小さくてわかりにくいので、100倍にデフォルメします。

scal d 100

そうすると、以下のように回転しているのがわかります。

熱膨張剛体回転
クリックすると大きくなります。

小さいので影響少ないのでは、とも思えるのですが、

今回はたまたま小さかったのであって、条件が多少異なれば結果は大きく変わる可能性がありますし、

計算するコンピュータによっても結果が変わる可能性があるので、放ってはおけない問題です。

モデル(B)のようにもう一点固定(例えば節点10をx方向に固定)すれば、以下のようにx方向変位分布が縞模様になり

、変位を100倍しても回転していないことがわかります。

熱膨張剛体変位移動なし
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  1. 2009/04/06(月) 22:01:18|
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剛体移動が起きてしまう例題 その2

さて最後に、3点曲げ(両端支持はり)のモデルを見てみます。

以下の様にモデルを作成しました。

3point-bend-model

断面積1x1、長さ20の梁です。

作り方によって節点番号が変わってしまうと思うのですが、

私のモデルではx=0,y=0の線上とx=20,y=0の節点をyfixというセットに入れました。

また節点番号57,58,237は、梁中央上部の節点で荷重点になっています。

以下にモデルデータを示します(要素、節点は省略)

(もし、ご自分でモデルを作られる方は、作ったモデルの節点番号に合わせて、
以下のモデル入力データを読み替えてください)

まず、荷重節点をz、x方向に固定した場合を示します。

この場合は正しい結果が出ます。

*INCLUDE, INPUT=all.msh
*NSET,NSET=yfix
279,283,130,137,129,198,202,197,321,318
*NSET,NSET=LOAD
237,57,58
*MATERIAL, Name=steel
*ELASTIC
28000, 0.3
*SOLID SECTION, Elset=Eall, Material=steel
*STEP
*STATIC
*boundary
load,1
yfix,2
57,3
*CLOAD
57,2,-1
237,2,-0.5
58,2,-0.5
*NODE FILE
U
*EL FILE
S, E
*END STEP

計算すると、ほぼ理論値のたわみが出てきます。

3点曲げ正しい拘束
クリックすると大きくなります。

次に、荷重節点の拘束をはずして計算してみます。

まず、3点曲げの計算をする前に、拘束のないx方向に荷重をかけてみます。

*boundary
yfix,2
*CLOAD
57,1,-1
237,1,-0.5
58,1,-0.5

とうぜん、x方向に吹っ飛びますが、計算はできたようです。

x方向大変位
クリックすると大きくなります。

単位系がkgf-mm系だとすると、

9.59E+9mm=9.59E+3km=9590km!!

東京からだとロンドンくらいまでいけるでしょうか(参考

すごい剛体移動ですが、私は月まで飛ばしたこともあります。。。


さて、3点曲げの例題に戻ります。

*boundary
yfix,2
*CLOAD
57,2,-1
237,2,-0.5
58,2,-0.5

と入力します。

y方向の変位をみてみると、

拘束条件不足y方向変位
クリックすると大きくなります。

何と正しい結果が得られました。

しかし、z方向変位を見てみると、

拘束条件不足z方向変位
クリックすると大きくなります。

結果が対称になっていないので、剛体移動してしまったことがわかります。

このように、実際は特に荷重方向以外の拘束がない場合はうまくバランスが取れて、一見結果がおかしくない様に見えることが多いです。

しかし、少し条件を変えて計算してみたりすると、突然巨大な変位が発生しまうことがあり、これがいやらしいところであります。

また、解析ソフトがバージョンアップした時に、今まで計算できたモデルが計算できなくなったという話をよく聞くのですが、

バージョンアップにより若干プログラムが変わった(収束性や精度を上げるためなのですが)ため、

今までのバージョンではバランスがとれたものが、最新のバージョンではバランスがとれなくなり、

計算結果が大きく変わってしまうということもありますので、注意が必要です。


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  1. 2009/04/07(火) 21:36:06|
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